一口馬主やPOGにおいて『高齢出産の母馬の産駒は走らない』という言葉を見た事があるのではないだろうか。
そこで、2008年生産~2017年産の一口馬主クラブ所属馬計6,997頭の産駒を集計し、
この格言が本当なのかを調べてみた。
なぜ2008年生産以降なのかというと「ディープインパクト産駒登場が2008年生産」だからだ。
サンデーサイレンス産駒の登場とディープインパクト産駒の登場は生産界に大きな功績を残したと思っている。
通常の募集馬の成績
まず、通常の一口馬主クラブの募集馬の成績は、
・総募集頭数 6,997頭
・勝ち上がり頭数 2,966頭(42.4%)
・2勝以上 1,688頭(24.1%)
・3勝以上 1,016頭(14.5%)
・4勝以上 547頭(7.8%)
・重賞馬 212頭(3.0%)
・GⅠ馬 57頭(0.8%)
高齢出産馬の成績(20歳以上)
次に一口馬主クラブの募集馬のなかで20歳以降出産の成績は、
・総募集頭数 170頭
・勝ち上がり頭数 39頭(22.9%)▲19.5
・2勝以上 20頭(11.8%)▲12.3
・3勝以上 11頭(6.5%)▲8.0
・4勝以上 3頭(1.8%)▲6.0
・重賞馬 1頭(0.6%)▲2.4
・GⅠ馬 1頭(0.6%)▲0.2
軒並み数字を下げる結果となってしまった。
しかしダービー馬キズナは母20歳時の産駒。必ず何かあるはずだ。
母高齢出産は馬体重に注目せよ
私は『馬体の大きさと飼食いの心配の有無』が無ければそこまで気にしなくても良いと思っている。
母体に対する医療的、専門的なコメントは控えておくが、高齢出産のリスクの一つが、
・馬体が大きくなりにくい
である。
母馬のお腹の中にいる時の栄養の吸収率の説や、飼食いが悪い説、放牧地を母仔で一緒に駆け回る頻度が少なかったり色々な説があるが、自分自身が納得できる確実な説は見つけられなかった。
しかし、勝ち上がりを果たしていたり、出走回数が稼げている馬の多くは
兄姉と比べても遜色のない馬体で競馬場で走れている。
勝ち上がりを果たした馬の多くにこの傾向を見て取る事が出来る。
そもそも高齢出産できるほど、毎年産駒を輩出しているという事は、
牧場が「期待している」であったり「この血は走る」といった理由が必ずあるから
高い種付け料金を払い、母仔共の飼葉代を払い維持しているのである。
高齢出産馬の産駒に出資する場合、「高齢出産だからNG」ではなく、
実際に走る馬の馬体や動きを見てから出資してみてはどうだろうか。
※本記事内の数値は2020年5月5日現在の数字です。
※本記事内の内容は必ず成功する、や、大丈夫だ、といった保証はしておりません。数字の検証を行っています。
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